【プレスリリース】低強度運動が2型糖尿病動物の認知機能を改善する-骨格筋由来のmiRNA分泌の関与を示唆-
群馬大学共同教育学部の島孟留准教授らの研究グループは、2型糖尿病モデルマウスを用いて、4週間の低強度運動が空間記憶機能を改善させること、この運動効果に骨格筋由来miRNA注1(miR-200a-3p)の分泌が関わる可能性を見出しました。
2型糖尿病は、生体の諸器官に様々な合併症を引き起こします。脳とりわけ海馬もその障害を受け、海馬依存的な学習?記憶機能が低下します。同グループは、これまでに習慣的な低強度運動が2型糖尿病モデルマウスの空間記憶機能を改善することや、その機構として海馬内の乳酸輸送が関わる可能性を示していましたが、それらの変化をもたらす機構については不明でした。今回の研究により、この運動効果とともに、腓腹筋由来のエクソソーム注2に含まれるmiR-200a-3pの分泌が増加することを確認しました。さらに、miR-200a-3p模倣体の投与が、運動効果と同様に2型糖尿病モデルマウスの空間記憶機能を改善することも確認されました。これらのことから、2型糖尿病の海馬機能を改善する低強度運動効果に骨格筋由来エクソソームmiR-200a-3pの分泌が関わることが示唆されました。
今後、本研究成果を足がかりとして、2型糖尿病の認知機能を改善する最適なライフスタイルや新たな治療法が発展することに期待がかかります。
本研究成果は、2025年4月10日に、「The FASEB Journal」オンライン版で公開されました。
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低強度運動が2型糖尿病動物の認知機能を改善する-骨格筋由来のmiRNA分泌の関与を示唆-