理工学府分子科学部門の海野グループを含む豪?仏の共同研究チームによるフッ素イオンを内包したかご型シルセスキオキサンの論文が発表になり、表紙としても採択されました
分子科学部門の海野グループを含む豪?仏の共同研究チームによるフッ素イオンを内包したかご型シルセスキオキサンの論文が発表になり、表紙としても採択されました。
ケイ素を8個含むかご型シルセスキオキサンは、最近ではPOSSと呼ばれ多数の研究成果が報告されています。なかでも、X線結晶構造解析の結果からは非常に狭い空孔しか有しないにも関わらず、フッ素イオンを内包した化合物が安定に存在することは驚きを持って受け入れられました(A. R. Bassindale, et al., Angew. Chem., Int. Ed., 2003, 42, 3487–3490)。今回の論文では、内包したフッ素イオンが50℃の加熱によりその位置を変え、3つの準安定状態を形成することが示されました。筆頭著者のLaird博士は2016年から17年にJASSO交換留学生として群馬大学に在籍し、新規かご型シルセスキオキサンの合成に取り組んだ経験を生かし、本発表につなげました。論文内容が編集部より高く評価されたことにより、表紙としても採択されました。