私は松田研究室で、応用鉱物の研究に取り組んでいました。
炭酸カルシウムの水和物について、塩化カルシウムと炭酸ソーダを条件を変えて反応させ、生成される水和物の研究をしていました。毎日の実験では失敗もあり、又、生成物の分析については新しい方法を学ぶ必要もあり、試行錯誤しながら実験を繰り返すことで、「実験のスキル」を身に付けることができました。自分で問いを立て、実験で検証し、分析する力を身に付けることができたと思います。
三洋電機では、冷蔵庫やエアコンに使用されるコンプレッサの材料の開発と冷凍サイクルの信頼性の研究に携わり、工程の見直し、摺動材料、潤滑油の開発等を行いました。(軽量?高強度のSiCウイスカー入りAlベーンはパデュー大学でのコンプレッサ会議で発表しました。)
オゾン層破壊や温室効果ガスの問題による冷媒変更で、全社プロジェクトリーダーとして対応しました。その時に開発したCO2冷媒用の2段圧縮ロータリーコンプレッサが今もパナソニックで使われています。
何よりも学生生活は貴重です。授業の課題でも、実験でも、まずは与えられた課題を着実にこなし、それに加えて、自分を成長させる勉強を一生懸命すると、毎日が充実した時間になると思います。
私は、趣味が陸上競技で、今は、テニスをしています。陸上競技をしている時は、「自分の記録を伸ばす」という熱意が次の記録につながり、また、素晴らしい記録を持つ人や憧れの人に近づきたいという気持ちが、常に自分を上へ上へと、突き動かしてくれました。テニスをしている時は、「さあ~、どう戦略的にポイントを取ってやろうかな」と、思考(PDCA)を常にめぐらせています。勉強や仕事以外の、こういう趣味の時間を持つことは、自分への余裕や、バランス感覚と戦略的思考を与えてくれますね。