在学中に学んだ健康増進のための運動処方や運動と栄養による健康づくりは、群馬県庁入庁後に配属された所属で取り組んだ県民の健康づくり支援に活かすことができました。
専門は陸上競技だったのですが、身を入れて取り組めない時期があり、そんな時、指導教員である山西哲郎先生から「競技者としてではなく指導者として陸上競技に取り組んでみたらどうか」と言われ、自分の中の重石が取れた感じを覚えています。「記録」が出ないことのプレッシャーを自分から外すことができ、それによって余裕が出てきたためか、記録も出るようになりました。
県庁では、生活保護、冬季国民体育大会、観光振興、県のフルマラソンなどの業務に取り組んできました。それぞれの仕事をするなかで、自分が何ができて何をしなければいけないのか、という視点を持つことや、自分の考えをまとめて相手に了解を得るプロセス、チームワークで仕事を進めることの重要性など「仕事のやり方」を学びました。
自分にとって、仕事は自分が自分としてあるために必要なことだと思っています。仕事をしていないと怠けてしまうだけかもしれませんが(笑)
そのことで、子どもが小さい頃、他の母親のように側に常にいることができず心が痛んだこともあります。その分、子どもに恥じない仕事をしなければならないと強く心に決めました。そして、県庁で一緒に働く仲間たちにも、子どもに自慢できる仕事と成果を出せるようにやっていこう!と言っています。
大学時代、陸上競技について、もっと突き詰めれば良かったかもしれないと思う時があります。あの時、もっと頑張っていたら、その先に見えた世界はどうだっただろう…と思う時があります。
学生の皆さんには、周りの評価を気にせず何事も突き詰めて欲しいと思います。自分の“武器”となるスキルや知識、経験を生かして精一杯やって欲しい。成功のマニュアルや王道はなく、直線コースもなく、回り道をしてもやりたいことをやって欲しい。私はそういう意味で、大学を4年間で卒業しなくてもよい、いろいろ経験して、28歳ごろを目指して自分のやりたいことを見つけて行って欲しいと「28歳キャリア完成説」を自分の子どもに伝えてきました。