在学中、当時は3年制だったこともあって毎日授業がぎっしり。部活にも入らず授業の予習復習や実習、研究に明け暮れる日々でした。
授業の合間、今は埋め立てられてしまった昭和キャンパス生協前の池の周りで友人と話すのがホッと一息つける時間でした。
卒業研究は、病院で行なっていない検査に興味があり、電子顕微鏡の試料作成?観察に関する研究を行いました。
39年間の在職中で心に残っているのは、群大病院?現採血室の創設に携わったことです。検査業務と並行しての準備には大変なことも多かったですが、新たな発見もあり思い出深い経験となりました。 医学は日進月歩。大学や病院内のみの活動では知識に偏りが生じてしまうので、専門資格を取得したり学会に参加したりと、自己研鑽に努めてきました。
退職後も勉強を続け、2017年には「ISO 15189(臨床検査室の認定)」審査員の資格を取得しました。検査の質向上から医療の質向上に貢献できればと思います。
“ワークライフバランス”なんて言葉のなかった時代。3人の子どもを同居の義母や保育園に預けて、仕事を続けました。帰宅後にご飯を食べさせて、お風呂に入れて、寝かせての繰り返し。簡単な道のりではありませんでした。
やっと一息ついたのは末っ子が高校を卒業したとき。同時に、看護師の道を選んだ末っ子の選択に、私の仕事や生き方が響いたのかな? と嬉しく思いました。
「仕事がすべて」だった私も、今は色々な趣味を始めたところ。中でも子育て支援ボランティアは楽しく、毎日が充実しています。
今の学生さんは、やればできる優秀な方ばかり。なのにどこか予防線を張っているように見えます。失敗は誰でも怖いもの。でも臨床では、どんどん実践することで学んだ知識?技術が定着し、また応用力が身についていきます。恐れず、貪欲に学ぶ姿勢で取り組んでもらいたいと思います。
そのためには、学生さんが迷わず勉強や演習に取り組める環境が不可欠。教員の皆様には、ぜひそれを支援していただけたらと思います。
夢や目標があれば勉強は「自分のため」のものになります。群大が、夢や目標に向かってひたむきに頑張れる場であり続けてほしいと思います。