在学時は、遺伝学に興味があり、微生物学教室に入りました。大学院在学時に、自分が書いた論文が海外ジャーナルに受理され、自分の研究が海外で認められたことをとてもうれしく感じました。同時に、これからどんどん論文投稿しなくては、世界から置いて行かれるぞ、というプレッシャーも感じました。
部会は、ワンダーフォーゲル部に所属して、普段から歩荷活動をして、春?夏の合宿では、近隣の山々に登ったことが懐かしいですね。南アルプスを縦走した時に、赤岳くらいの所まで行くと裏富士の上に朝日が昇り、そこで見た朝焼けに感動したことを今でも覚えています。また、文学にも興味があり、詩を書いたり、文学朗読をする社会人の集まりに参加していました。
大学時代に内科の臨床をしていた時、自分の目の前で、人が亡くなるという経験をしました。その時、医学の世界で人を救うことがいかに難しいか、実感しました。そのため、病気の解明をすることによって人の命を救いたいと思い、大学院で遺伝学について学び、感染症についての研究をはじめました。
感染症のコントロールは難しく、世界レベルでの対応が必要と思います。特に、新興感染症の中で、動物由来の感染症が90%以上で、最近問題となったSARSやインフルエンザウイルスも動物由来で、海外で発生したものが日本に入りこみました。学生さんたちの海外渡航については、その国やその地域でどんな感染症が流行っているかの情報や感染症の予防処置など事前の知識が必要になってきますね。
大学生活では色々な人間関係を作ることも大事ですが、その時にしか学ぶことが出来ないことも沢山あります。基礎知識を学ぶことができる頭の柔らかさは、10代~20代の若い頃で、30代くらいになると日常生活の忙しさに追われて、新しい勉強をしようという意欲が薄くなってきます。そのため、大学でしかできない学びをしっかりして欲しいと思います。
勉強は必ずしも自分の専門だけでなく、幅広く、教養を身に付けることが大事だと思います。