当時、私は高齢者の看護に興味があり、卒業研究で老年看護学内田陽子先生の教室に配属させてもらいました。私は、内田先生の講義が大好きで、講義も実習の指導も本当に興味深く、とても面白かったです。内田陽子先生は今でも私の憧れの先生です。
内田先生は、「患者さんをよく見て、そこから情報を汲み上げ、問題点を解決して患者さんにまた返すこと」を徹底されており、看護実践と研究の大切さを学びました。それと同時に、とても楽しそうに看護実践を語るお姿を見て、私も看護の魅力を実感するようになりました。
在学時の部活は、保健学科のバレーボール部に入っていました。部活のメンバーは看護学専攻だけではなく、他分野の専攻の学生もいたので、広い交流を楽しみながら厳しい練習や試合をともに乗り越えていった良い思い出があります。部活や看護学実習などキャンパスで時間をともに過ごした友人たちとは今も連絡を取り合う、良い仲間です。
大学時代には、もっと、先生方の研究室に訪問しておけば良かったと思いました。群馬大学では著名な先生方がたくさんいらっしゃったので。また、群馬大学では国際看護学が非常に有名だったので、大学の中での国際交流の活動等にも、もっとアンテナを張れば良かったなと思いました。
看護学実習中の昭和キャンパス生協での楽しい昼食時間
看護学の教員として、群大での恩師から学んだ「患者さんのところでまずは問題をしっかりくみとること」を何よりも一番大事にして、学生さんたちにも伝え、指導しています。自分が行う日々の講義では、患者さんの生の声や看護実践での経験、研究の成果も話すようにしています。
また、教育と研究には臨床が大事だと思っていますので、定期的に外来で、自分の専門であるリンパ浮腫保存療法の指導も行っています。
看護学で大事なのはサイエンスとアートだと思います。サイエンスというのは、ロジカルに現象を考え、物事を解決し、患者さんに還元していくことです。アートというのは、患者さんの疾患や暮らしについて想像力をもち、共感したりアイディアを出したりすることです。サイエンスもアートもどちらも大事なことで、総合大学である群馬大学であるからこそ、学べる、培えるものだと思います。