学部時代は、特に勉強に熱心に取り組みました。図書館にこもり夜遅くまでコツコツと勉強をしました。自分にあった勉強の仕方を見つけていましたし、また、大学の授業のカリキュラムも学生の勉強の意欲を引き出すものだったので、勉強をすることが楽しいと感じていました。大学院生の時は、勉学をしながら、榛名荘病院でフルタイムで働いていました。とても大変でしたが、そこで出会った患者さんとの経験は、自分のアイデンティティ形成となり、その後の自分の人生に大きな影響を落としてくれました。
仕事で忙しい毎日でも、自分をしっかり持って励みました。
私の仕事の対象は、「人」であり、また医療も日々変化するため、なかなかスムーズに自分の思い通りにはいかないものです。しかし、自分自身を多面的に、客観的にして、仕事に対して臨機応変に対応していくスキルが必要と思いました。あと、「自分ルール」をあらかじめ決めておくと、なし崩し的に仕事に追われることもないのかなと思います。仕事の外に、自分の時間を持つことも、仕事をより質の高いものにしてくれると思いますので。
スキルアップのためにカナダの大学院(博士課程)へ留学しました。初めは研究はもちろんのこと、日常生活の会話にも一苦労しましたが(笑)、「自分は何を相手に伝えたいのか」「相手に何を理解して、どうしてもらいたいのか」を意識して、コミュニケーションを続けた結果、相手の受け取りが変わったのか、コミュニケーションが進みました。また、自分自身をよく知るきっかけにもなりました。
今、大学で教員として教鞭をとっていますが、学生に興味を持ってもらうために、相手からの視点で自分が発信する言葉を選ぶようにしています。
いろいろなことに挑戦して欲しいと思います。その経験を通して、自分の強みや得意なところが見つかると思います。また、群馬大学は、県を代表する国立大学で、信頼され、世の中に、地域社会に、ポジティブなインパクトを与えることが期待されていると思います。そのため、群馬大学の学生さんたちには、自分のことのほかに、社会のことを考える人になってほしいと思います。社会のなかにある課題は、いろいろな要素が絡まっていて、解決を複雑にしています。そういう課題は、自分1人では、解決は不可能であるのですが、しかし、まずは自分の専門を持って、解決のアプローチに貢献し、そして、自分とは異なる専門の人たちと協力して、連携して、課題全体の解決に臨めるように協働していけるようになって欲しいと思います。