HIVの研究をしている星野洪郎教授の教室で、最先端のPCRの検査をしていました。結果はあまり出なかったのですが、研究者が一生懸命に研究していることを感じ取れた大変良い機会でした。
部活動にも打ち込みました。夏は軟式テニス部、冬はスピードスケート部で運動三昧でした。そこで基礎体力が養われ、今も強い体でいられるのは部活動のおかげだと思います。
学生時代に、「肝臓を取り換える?」医療があるというのをテレビで見た時の感動が忘れられず、京都大学で肝臓移植の勉強をしました。元々は全身を見ていましたが、代謝や消化の中心となる肝臓が好きだったため、肝胆膵外科に行きました。当時患者さんは子どもが多く、痛みを明確に伝えることが難しいため、毎日患者さんの横に行って診察しました。そのようなとき、ご家族とのコミュニケーションが重要だと感じました。
患者さんやご家族の方への誠実な説明、適正な手術の提供はもちろんですが、いかに信頼関係を築くことができるかを大事にしています。患者さんと自分が、同じ方向を向いていることが重要だと思っています。120%の努力をして、やっと100%に近い成績が出るのだと思います。信頼に値するだけの努力をすることが大切です。
礼節をわきまえた態度も信頼を得るために大切です。手術を失敗すると人の命を落としてしまう可能性があるというのが医療の怖いところです。小さなミスを一つ一つ修正していく、ミスを繰り返さないことが重要です。
人生は自分に合う仕事を探す旅だと思って、自分に合うものを見つけていってほしいと思います。若い時の努力は未来に飛び出すネジをまく時間です。適正なところで研修を積んで、ライフステージのイベントを大切にし、リスペクトできる先輩を見つけ、努力を評価してくれる職場を選ぶことが大切です。
積極的に海外に出て、見聞を広げてください。世界は思っているよりももっと広いです。