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理工学基盤部門の後藤民浩教授が共同第一著者として関わった論文が、Nature Communications誌に掲載されました。

[CATEGORY] 受賞?成果等 [tag]

理工学基盤部門の後藤民浩教授が共同第一著者として関わった論文が、イギリスの科学誌「Nature Communications」に掲載されました(2023年9月29日)。

掲載誌?

Nature Communications 14 (2023) 6095.?

タイトル

The role of arsenic in the operation of sulfur-based electrical threshold switches
硫黄ベースの電気しきい値スイッチ動作におけるヒ素の役割

著者

Renjie Wu1,2,8, Rongchuan Gu3,8, Tamihiro Gotoh4,8, Zihao Zhao1,2, Yuting Sun1,2, Shujing Jia5, Xiangshui Miao3, Stephen R. Elliott6,7, Min Zhu1, Ming Xu3, Zhitang Song1

1 Shanghai Institute of Microsystem and Information Technology, 中国
2 University of Chinese Academy of Sciences, 中国
3 Huazhong University of Science and Technology, 中国
4 Gunma University, 日本
5 Fudan University, 中国
6 University of Cambridge, イギリス
7 University of Oxford, イギリス
8 同等の貢献: Renjie Wu, Rongchuan Gu, Tamihiro Gotoh.

ヒ素は相変化メモリにおいて必須元素ですが、これまで詳細な機能メカニズムはわかっていませんでした。この研究では、硫化ゲルマニウムベースのしきい値スイッチング(OTS)セレクタをさまざまなヒ素濃度で作製しました。硫化ゲルマニウムにヒ素を導入することで、結晶化温度が100?℃以上上昇し、スイッチングの再現性が著しく向上します。OTSの性能として、リーク電流の1桁以上の減少、動作電圧ドリフトの大幅な抑制、450?℃までの配線工程への対応が可能になります。さらに、12 MA/cm2を超えるオン電流、約10 nsの高速動作、1010サイクルの長寿命を実証しました。特性向上のメカニズムとして、ヒ素の導入により構造が強化され、原子移動が起きにくくなると考えられます。また、OTS挙動に関係するバンドギャップ内のトラップ準位を、光熱偏向分光法による実験と第一原理計算から明らかにしました。これらの研究成果により、高密度3D相変化メモリの大幅な高性能化、精密な特性制御が可能になります。?

  • 本研究の一部は、JSPS科学研究費 基盤研究C(21K04861)の助成を受けて実施されました。
  • 本成果は、2023年9月29日に英国科学誌Nature Communicationsのオンライン版で公開されました。
  • 論文はこちらからご覧いただけます。

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関連リンク

後藤民浩 教授 研究紹介はこちら

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