大学院理工学府?物質?生命理工学教育プログラム博士前期課程1年生の難波真温さんと内海貴仁さんが、第60回炭素材料夏季セミナーにてポスター賞を受賞しました
2023年9月4日~5日に長崎市伊王島町のMINATO HOTELで開催された第60回炭素材料夏季セミナーにおいて、分子科学部門?炭素材料電極化学研究室(所属教員:白石壮志教授、畠山義清助教)の難波真温さんと内海貴仁さんがポスター賞を受賞しました。本賞は、ポスターセッションにおいて優れた発表を行った学生に与えられるものです。本年度は、発表者36名に対して、?波さん、内海さんを含めた8名が受賞しました。
難波真温さんの発表題目は「シームレス活性炭/Al溶射集電体接合複合電極を用いた電気二重層キャパシタの高電圧充電耐性」でした。
内海貴仁さんの発表題目は「シームレス活性炭電極を用いた有機系電気二重層キャパシタのガス発生に関するオペランド分析」でした。
炭素材料電極化学研究室では、キャパシタやリチウム電池などの電気化学デバイス用の新規炭素電極材料の研究開発を主に行っています。
今回受賞した研究に共通しているのが「シームレス活性炭電極」です。これは、炭素材料電極化学研究室とアイオン株式会社が共同研究開発した「つなぎ目のない」多孔質炭素電極です(過去のプレス発表を参照:https://www.st.gunma-u.ac.jp/15774)。シームレス活性炭電極を用いたキャパシタやリチウム空気電池は優れた特性を示すことが明らかにされています。特にシームレス活性炭電極を用いたキャパシタは耐久性が非常に高く、関連分野において注目されています。今回受賞した二つの内、?波さんの研究では、シームレス活性炭電極のもつ優れた耐久性についてそのメカニズムの一端を解明しただけでなく、さらなる耐久性の改善に成功しました。
内海さんの研究では、シームレス活性炭電極を用いることでキャパシタの劣化に関わるガス発生メカニズムの一部を「オペランド*」という条件下で解析することに成功しました。
これらの成果は両名が日々熱心に研究に取り組んだことによるものです。両名の今後の活躍が非常に期待されます。
*オペランド(Operando)は、ラテン語で“operating”や“working”を表します。「オペランド分析」とは、測定対象が実際に使われる環境下で分析することを意味し、「その場測定」を更に発展されたものとして、近年特に注目されている分析手法です。
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