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大学院理工学府博士前期課程2年電子情報?数理プログラムの中村一貴さん(筆頭著者)の論文がApplied Physics LettersのEditor’s Pickに選ばれました

[CATEGORY] 受賞?成果等 [tag]

2024年11月25日発行のApplied Physics Letters誌に掲載された論文(Kazuki Nakamura, Kosuke Suzuki, Futoshi Utsuno, Kodai Takano, Tomoya Ando, Kazushi Hoshi, Naruki Tsuji, Hiroshi Sakurai, Operando Li-ion distribution measurement of all-solid-state batteries by Compton-Scattered X-Rays, Appl. Phys. Lett. 125, 223902 (2024))がEditor’s Pickに選ばれました。本論文は大学院理工学府博士前期課程2年電子情報?数理プログラムの中村一貴さんが筆頭著者であり、大学院理工学府?鈴木宏輔准教授、出光興産株式会社?宇都野太博士、高輝度光科学研究センター辻成希博士らとの共同研究です。

中村一貴さん

全固体電池では、液体を利用した電池に比べてLiイオン伝導度が低いため、空間的に不均一な充放電反応が生じやすいことが課題となっています。そのため、実電池に近い電池での、充放電動作中のLiイオン濃度の空間分布を測定する手法の開発が求められています。しかし、全固体電池は材料中のLiイオン濃度が高いため、充放電反応時のLiイオン変化量が小さく、高精度でLiイオン濃度を求める必要があります。今回は、高い物質透過能を有する高エネルギー放射光X線を用いたコンプトン散乱X線のスペクトル形状のラインシェイプパターンの解析から、SUS製ケースに収納したコイン型電池の充放電時における正極及び負極内のLiイオン濃度の空間分布を精密に測定することに初めて成功しました。その結果、充放電を繰り返す(20回)と、正極?負極いずれもLiイオンはセパレーター界面側に集積することを見出しました。今回開発した手法は、実電池に近い全固体電池内のLiイオン空間分布を測定する手法として全固体電池の開発においてとても有用な手段となると期待されます。

測定した全固体電池のLiイオン濃度

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櫻井 浩 教授 研究紹介はこちら

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