理工学府分子科学部門の撹上将規助教がプラスチック成形加工学会 第4回若手奨励賞を受賞しました。
理工学府分子科学部門の撹上将規助教が、プラスチック成形加工学会 第4回若手奨励賞を受賞しました。本賞はプラスチック成形加工および関連分野の発展のために貢献する人材に授与されるものです。
2022年6月15日のプラスチック成形加工学会第33回年次大会にて贈賞式が行われました。
受賞題目は、「インプロセス計測に基づく超高分子量ポリマー溶融成形の展開」です。
撹上助教は、超高分子量ポリマー融体の変形過程における分子鎖絡み合い状態の変化を、X線やパルス核磁気共鳴(NMR)を用いたインプロセス計測(in situ(その場)計測)によって評価した結晶化挙動および緩和時間変化を指標として定量化することで、溶融延伸過程での構造形成メカニズムを解明しました。この結果を基に、分子鎖絡み合い制御を取り入れた超高分子量ポリマーの溶融延伸および溶融紡糸手法の検討とそれによるフィルム?繊維作製に取り組んでいます。この手法は、有機溶媒を用いないグリーンプロセッシング(環境低負荷型成形法)として工業的に広く期待されています。
これら撹上助教の一連の研究成果はプラスチック成形加工および関連分野の発展に貢献するものであり、プラスチック成形加工学会若手奨励賞として相応しい人材として高く評価されました。
現在、本研究の成果を基に、撹上助教を研究責任者としてJST?A-STEP産学共同(育成型)「革新的グリーンプロセッシングによる高強度?機能性繊維作製システムの確立」が進行中です。