大学院保健学研究科の嶋田淳子教授が率いる、日本とエルサルバドルの共同研究チームの取り組みが、国際的な総合科学雑誌Natureオンライン版、特集企画Focal Point on Neglected Tropical Diseasesに、記事広告「Chagas collaboration aims to tackle ‘kissing bug’ disease」として掲載されました。
大学院保健学研究科の嶋田淳子教授率いる研究チームの取り組みが、国際的な総合科学雑誌Natureオンライン版、特集企画Focal Point on Neglected Tropical Diseasesに、記事広告「Chagas collaboration aims to tackle ‘kissing bug’ disease」として掲載されました。
応用検査学を専門とする嶋田教授は現在、群馬大学、東京大学、慶應義塾大学、大阪公立大学、自治医科大学、高崎健康福祉大学、エルサルバドル国立科学研究センター(CICES)、エルサルバドル大学及び国立ロサレス病院の研究者からなる研究チームのリーダーとして、シャーガス病(WHO:世界保健機構に指定された顧みられない熱帯病、病態形成メカニズムが解明途上である難病)の治療薬開発に挑んでいます。
シャーガス病は、寄生虫トリパノソーマクルージによって引き起こされる病気で、ヒトを含む哺乳類では主にサシガメと呼ばれる媒介昆虫の刺口からこの寄生虫に感染し、感染するとすぐに発熱、疲労感、眼瞼浮腫などの症状が起きます。その後、十数年という年月を経て、感染者のおよそ30%で心不全や巨大消化管などの慢性期症状が続き、死に至る恐ろしい病気です。現在、治療に使用されている薬は副作用が強く、感染初期にしか効果がなく、慢性期の治療法は確立されていません。
記事の中では、本学の石崎泰樹学長が当該研究に対し、「シャーガス病の研究が病態解明に大きく貢献し、臨床薬開発のスピードアップにつながる」と大いに期待を寄せていることも、紹介されています。
難病の治療法確立に挑む嶋田教授率いるチームが抱える課題、そして目指すゴールが紹介されていますので、みなさまぜひ、ご一読ください。