細胞膜の脂質非対称組成が鍵 複雑な細胞内反応をもった人工細胞バイオリアクタ構築の足掛かりに
大学院理工学府の分子科学部門 神谷厚輝助教と物質?生命理工学教育プログラム博士前期課程1年 三輪明星は、膜透過性ペプチドを介して酵素などの水溶性タンパク質を人工細胞膜のリポソーム内へ輸送し機能化することに成功しました。
本研究成果は、2018年11月18日に、米国化学会の『ACS Synthetic Biology』誌に掲載され,表紙に採択されました。
本研究の成果から、膜透過性ペプチド(Cell penetrating peptide;CPP)を介すことで、非対称膜組成のリポソームの内に水溶性タンパク質を輸送できるようになりました。この成果により、任意のタイミングでリポソーム内へ水溶性タンパク質を輸送できるようになるため、多段階のタンパク質反応を制御可能なリポソームリアクタの構築に貢献し、生命現象の詳細な理解に繋がります。
また、他の種類のCPPや人工CPPを設計し非対称膜組成リポソーム内への輸送に関わる原理を解明することで、CPPによる効率的なドラックデリバリーシステムの構築も期待されます。
本研究は、日本学術振興会(JSPS)科研費 基盤研究(B) JP22H01874、卓越研究員事業、武田科学振興財団からの支援を受けて行われました。
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