大学院理工学府 電子情報?数理領域博士前期課程1年 織茂 颯汰さんの受賞が2件ありました
国際学術会議IBA&PIXE2023において、電子情報?数理領域博士前期課程1年 織茂 颯汰さんが Excellent Presentation Awardを受賞しました
2023年10月07~13日に富山国際会議場にて開催された国際学術会議IBA&PIXE2023 (the 26th International Conference on Ion Beam Analysis – IBA-2023 and the 18th International Conference on Particle Induced X-ray Emission – PIXE-2023) (世界34カ国、約259名の研究者が参加)において、電子情報?数理領域博士前期課程1年(花泉研)の織茂 颯汰さんが、「Development of a convenient real-time radiation monitoring and measurement device by utilizing phosphate glass with aluminum impurities」と題したポスター発表を行い、Excellent Presentation Awardを受賞しました。
織茂さんはガラス材料の研究に取り組んでおり、この中で、リン酸塩というガラスに着目し、ガラスを構成する元素の組成を変更することで、医療現場などで用いられる多様な放射線を簡便に計測できるデバイスの実現を目指しています。今回、新たに、アルミニウム(Al)や酸素(O), リン(P),ナトリウム(Na)を中心とした軽元素のみで構成されるリン酸塩ガラス材料を開発し、ビーズ状に成形することで、放射線センサへと応用しました。開発されたセンサデバイスは、特に深い紫外線以上のエネルギーを持つ光子や放射線にのみ蛍光を発するシステムを構成可能であり、また軽い元素のみで構成されるので、放射線診断画像を阻害しない新しい放射線センシングデバイスが実現可能です。本受賞は、これらの材料開発や放射線計測デバイスへの応用というユニークな技術開発が高く評価されたものです。
今後、これらのガラス材料やデバイスをさらに高度化することで、レントゲンなどの医療診断上に映り込みの少ない放射線センサを医療現場に提供することが可能となるなど、さらなる研究進展が期待されます。現在、織茂さんは、群馬大学理工学部と群馬大学医学部、重粒子医学研究センター、東北大学工学研究科?医学系研究科との共同研究においてこれらの研究を推進しています。なお本研究の一部は、科学研究費補助金の助成(21K12522, 23K11929, 19K12860, 22H02009)を受けて行われました。
関連リンク
- 国際会議IBA&PIXE2023
- 国際ワークショップIWIRMにおいて織茂颯太さんが受賞しました
- 花泉修教授の研究紹介はこちら
第15回放射線モニタリングに関する国際ワークショップ15th IWIRMにおいて、現?電子情報?数理領域博士前期課程1年 織茂 颯汰さんが Silver Student Presentation Awardを受賞しました
2023年3月25日(土)? 3月26日(日)に (株)千代田テクノル 大洗大貫台事業所にて開催された第15回放射線モニタリングに関する国際ワークショップ15th IWIRM (15th International Workshop of Individual Radiation Monitoring (IWIRM))において、現 電子情報?数理領域博士前期課程1年(花泉研)の織茂 颯汰さんが、「Visualization and detection of radiation for eye lens exposure by convenient wearable radio-photoluminescence dosimeter」と題したポスター発表を行い、Silver Student Presentation Awardを受賞しました。
織茂さんはガラス材料の研究に取り組んでおり、この中で、リン酸塩というガラスに着目し、ガラス組成の最適化を図りながら、センサデバイスとしての社会実装に取り組んでいます。今回の研究で、織茂さんは、同プログラム博士前期課程修了生である 秋山 駿さん、増子 誠一郎さん、中嶋 留奈さん、佐々木 愛加さんらと協力しつつ、3Dプリンタを利用したウエアラブル型線量計デバイスと専用の計測装置を高度化しつつ、主に医療現場などを想定した局所的な被ばく線量の可視化を可能とする技術の実現を目指して研究を進めています。
現在の日本国内外では、特に眼(水晶体)の放射線管理が重要となっており、国内でも2021年4月より新たな放射線関連法令が施行される中で、人体の中で放射線の影響を受けやすい眼部、特に水晶体の保護が急務となっています。本研究成果では、過去の成果を踏襲し、より現実的なメガネ構造を模擬した構造を形成しつつ、医療現場での放射線を用いた診断装置などのシステム上で、多様な放射線の種類、照射方向を考慮しつつ、その応答特性を評価しています。
受賞後も研究は進展しており、今後、幅広い産業分野で利用される放射線から人体を保護する上で重要な技術展開の可能性が期待されます。現在、織茂さんは、群馬大学理工学部と群馬大学医学部、重粒子医学研究センター、東北大学工学研究科?医学系研究科との共同研究においてこれらの研究を推進しています。なお本研究の一部は、群馬大学レギュラトリーサイエンス研究助成、中部電力原子力安全技術研究所との共同研究による支援、科学研究費補助金の助成(23K11929, 19K12860)を受けて行われました。