理工学府分子科学部門のLiu特任助教、海野教授のグループが合成したバットシロキサンの論文が発表され、論文誌の表紙に採択されました
理工学府分子科学部門のChaiprasert博士(2021年3月学位取得)、Liu特任助教、海野教授らのグループがラダーシロキサン(はしご型の決定された構造を有するケイ素化合物)の新しい合成法を開拓し、それを用いてこれまでにない大環状のシロキサン(コウモリの羽)を両端に有するシロキサンが合成され、論文がヨーロッパのMacromolecular Rapid Communication (IF=4.9)に掲載されました(論文タイトル:Synthesis of Tricyclic Laddersiloxane with Various Ring Sizes (Bat Siloxane))。この化合物は比較的剛直なシルセスキオキサン骨格(胴体)に、羽のようにフレキシブルなシロキサン環を有しており、X線構造解析から求められたその構造が、コウモリが羽ばたくところに似ていることから、バットシロキサンと命名されました。さらに、査読のプロセスで高い評価を受け、本誌のフロントカバーとして表紙を飾ることになりました。
原著論文
Synthesis of Tricyclic Laddersiloxane with Various Ring Sizes (Bat Siloxane)