【プレスリリース】神経伝達物質の輸送促進による体重増加機構の発見
生体調節研究所代謝シグナル解析分野の河野助教らの研究グループは、脳の摂食中枢で神経伝達物質の輸送を促進し、体重増加を引き起こす神経メカニズムを明らかにしました。RNA脱メチル化酵素のFTO(エフティーオー)は、これまで肥満との関連が知られていましたが、摂食中枢での役割は不明でした。今回の研究では、摂食中枢に存在するAgRPニューロンにおいて、FTOが体重増加に関わることを発見しました。FTOは、mRNAの脱メチル化により、神経伝達物質の輸送を担うKIF1Aタンパクの選択的スプライシングを調節し、KIF1Aを活性化型の二量体へと誘導します。その結果、AgRPなどの神経伝達物質を含む有芯小胞の輸送が促進されることを明らかにしました。本成果は、肥満の発症メカニズムの解明に貢献するものです。
本研究は、国際学術誌 『The EMBO Journal』 オンライン版(日本時間7月10日午前0時)に掲載されました。
?雑誌名:The EMBO Journal
?公開日:2025年7月10日
?タイトル:FTO promotes weight gain via altering Kif1a splicing and axonal vesicle trafficking in AgRP neurons
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プレスリリース資料
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