共同教育学部の先輩に聞く
障害学生も対等に学べる環境がある
山本 綾乃さんYamamoto Ayano
群馬大学 大学教育?学生支援機構
学生支援センター 産学官連携研究員
教育学部障害児教育専攻 2013年度卒業
(東京都立中央ろう学校出身)
想像以上に楽しかった大学生時代に感謝
家庭教師の先生が群大生だったので大学の話はよく聞いていましたし、オープンキャンパスにも参加し良い印象は持っていましたが、聴覚障害があることで不安もありました。入学後専攻内で聞こえないことを伝え、筆談や手話でのコミュニケーションをお願いしました。徐々に手話を覚えてもらうと「手話での会話が楽しい」と言ってもらえるようになり、入学して3ヶ月後には筆談の必要性が減り、自主的に手話通訳をしてくれるようになりました。同級生に恵まれ、本当に感謝しています。
学内には障害学生サポートルームがあり、専門のスタッフが聴覚障害や発達障害、肢体不自由など障害の状況や程度に合わせた支援をして下さいます。そのおかげで、健常学生と対等に講義や実習を受けられ、安心して充実した学びができます。
また、ボランティアサークルに所属して手話を通して子どもたちとも様々な交流ができました。聞こえないことへの理解や、授業を受ける際の補助も群馬大学は整備されていて、本当に充実した楽しい学生生活でした。
教育学部は教育実習に非常に力を入れています。一年次から実習を積み重ねることで自信に繋がります。聴覚障害のある学生には、実習中も手話やパソコンテイクによる文字支援があり、生徒には発言をホワイトボードに書いてもらうなどコミュニケーションをとりながら充実した実習ができます。
大学の先生方はそれぞれが高い専門性を持ち少人数で指導していただけます。先輩?後輩との繋がりも強くアットホームな雰囲気でした。聞こえないことへの理解や、授業を受ける際の支援も群馬大学は整備されており、とても充実した楽しい学生生活を送ることができました。
大学とアメリカ留学での学びを仕事に活かす
高校時代から世界で唯一のろう?難聴者のための総合大学であるギャローデット大学に留学したいと思っていました。幸運なことに日本財団の留学奨学生に選出していただけ大学卒業後すぐに夢が叶いました。日本の教員免許を取得していたことでアメリカでの学びは充実していましたし、5年間ろう教育やアメリカ手話を学べたことが、帰国後の仕事につながっています。現在大学で日本手話の授業を手伝いながら、聴覚障害のある学生にアメリカ手話を教えています。来年度からは聞こえる学生にもアメリカ手話を教える予定です。将来学生のみなさんが教員となってろう学校で教えるかもしれませんし、通常学級で聞こえにくい生徒に出会うかもしれません。そのためにも「言語としての手話」を学ぶことは重要だと考えています。私も更に深く学び、ろう教育に携わっていきたいと考えています。
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