理工学部の先輩に聞く
新しい価値を生み出せるようなエンジニアに
安部 文隆さんAbe Fumitaka
本田技研工業株式会社勤務
工学部 電気電子工学科(当時) 2012年度卒業
大学院工学研究科 電気電子工学専攻(当時) 2014年修了
(群馬県立太田高等学校 出身)
※2013年に工学部を理工学部に、大学院工学研究科を大学院理工学府に改組しました。
より多くの経験や学びが社会へ繋がっている
現在の仕事は自動車の電子制御ユニット(※)の研究開発ですが、大学時代に研究した内容とリンクしている部分も多くあります。電気回路やソフトウェアのプログラムなど1、2年生で基礎を学び、学年が上がるとそれを実験で検証する、そして修士課程でさらにテーマを絞って研究を深めるという流れや研究テーマは、今の仕事にも繋がっているのかなと思います。学部の基礎で学ぶことは既に答えがあるものですが、研究では社会のニーズを考え解明、開発されていないことに対してアプローチすることになります。これは社会に出て仕事をする上でも、同じアプローチです。
社会からは、何を研究しているのか、どのような論文や成果を出したかなどが評価ポイントになると感じます。その点では群馬大学はきちんと取り組むことができる環境が整っています。基礎として実験や講義を通じて幅広く学び、研究室では複数の企業と共同研究をさせていただくこともできました。また、研究室だけでなく、さまざまな外部講師の方に相談できる機会もあります。実際に企業で活躍されていた方に指導していただけたのは、エンジニアを目指していた自分にとってはとても良い環境でした。
適切な目標設定で達成させるプロセスが学べた
もともと海外で論文発表をしたいと考えていたので、積極的に国際学会に論文を出していました。共同研究をさせていただいた企業の方に定期的に進捗報告を行い、アドバイスをいただきながら理論?法則を構築し、その妥当性をシミュレーションや実機検証で示す。研究成果をまとめて国際会議へも提出しました。採択率が30%程度というハードルの高い学会でしたが、いろいろな方にご協力いただいて、採択されました。
価値のあることをきちんと突き詰めて研究する、ということを学び、群馬大学で学んだことで自分の研究や仕事が社会にどのように役に立つのかを常に考えるようになりました。これからの自動車は自動化や電動化などの技術進化で大変革期と言われていますが、まだまだ課題もあり、過去の経験が通用しない、何が正解か分からないようなことも出てきます。そのような中でも、自分で目標を適切に設定して、スピード感を持って課題をクリアしていけるようにしたいです。将来的には、自動車が単なる移動手段ではない+αの価値を創造できる空間にしたい、そうすることで多くの人に喜んでもらえるものづくりができるのではないかと考えています。
(※)エンジンやモーターなどをコントロールする電子制御部品
※この画面の情報は、全て取材した時点のものになります。